バニシング・ツインに花束を

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 バニシング・ツイン。  相原 恭(あいはら きょう)がその言葉に初めて触れたのは、11歳の夏だった。 「あぁ、疲れた! 恭、ちゃんとお留守番してた?」 「ただいま、恭」  遠い県外の叔父さんが、亡くなった。  父と母は、恭たち姉弟を留守番させて葬儀へ出かけたのだ。  姉は高校生だし、すぐ近所に祖父母が住んでいるので、しっかり留守番することができた。  ようやく帰って来た、お父さんとお母さん。  お土産のお菓子を開き、お茶を淹れ、親戚の様子を喋っているうちに、恭の母は不思議な出来事を話し始めた。  姉や弟と共に、恭はその話を聞いた。
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