バニシング・ツインに花束を

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「恭に、バニシング・ツインの話、聞いただろ」 「うん」 「俺が、その双子の片割れなんだよ。名前は、恭介。よろしくな」  そして恭介は、自分と恭との関係を打ち明けた。  恭の心の中に生まれた、恭介と言う双子の兄の存在。  恭が体験した出来事を共有し、心と心で話し合いながら歩んできた毎日。  そして昨日、恭が心の中に、恭介が肉体を持った姿に逆転してしまったこと。  にわかには信じがたい話だが、普段の恭とあまりにも違う恭介の態度はとても演技とは思えない。 「恭は、どうしちゃったんだ」 「あいつは今、俺の心の中でぐうぐう眠ってるよ」 「なぜ!?」 「誰かさんのせいで、心底傷ついたからに決まってるだろ!」
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