バニシング・ツインに花束を

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 その日、克彦は恭介と一緒に下校した。  例の3年生がまた出ると厄介だ、という理由からだが。 「ま、俺ならあんな奴、ぶん殴ってやるんだけど」  一応周囲には、恭のままであることになっている。  妙な噂が立つと面倒だし、大切な恭の身体に怪我でもさせると大変だし。  そう言って、にやりとする恭介。  心穏やかで、笑顔が素敵な恭。  だが、克彦の隣で不敵に笑うのは、好戦的な恭介なのだ。  こんなに近くにいるのに、手の届かない遠くへ行ってしまった恭。  克彦は、うなだれた。  俺は、こんなに恭のことが好きだったんだ。  だのに、不用意な一言で、彼をひどく傷つけた。  克彦は、絶望的に後悔していた。
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