バニシング・ツインに花束を

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「お前、憧れてたろ。波の音を聴きながらキスするの」  だから、海に来たのか。  克彦も、ようやく恭介の荒療治を察した。 「恭、俺はお前が好きだ。酷いこと言って、ごめん」  だけどあれは、それだけお前に夢中で、必死だったからなんだ、と克彦は言った。 「お前、巧い言い訳するね」 「恭介、そんな意地悪言わないで、君からも恭を説得してくれよ」  面倒くさいぜ、と恭介は髪をかき上げた。 「そんなもん、これで充分効き目がある、っての」  恭介の顔が、克彦に近づいてきた。 「まさか、ホントにキスを……!?」 「当たり前だろ」
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