一七才の菊ちゃんへ

9/9
前へ
/9ページ
次へ
だから、菊ちゃん 『来世も一緒になろうね』 きっと、あの人は…、信雄さんはあなたに何度もそう言ってくれると思います。 その時は、誤魔化したりしないでちゃんと「うん」って返事してあげて下さい。 よろしくお願いします。 九六の菊代より 私は、涙が溢れて止まらなかった。 ぐしゃぐしゃになりながら、手紙だけは濡らさないようにと必死で顔を拭った。 落ち着いてから外に出ると、暮れ始めた空には明るい星が二つ瞬いていた。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加