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「お前らって仲よかったんだ」 意外…とでも言うような瞳で唐突にそう言う。 「…どういう意味だよ」 もう何年も言われ続けてきたセリフに、ここでもかとうんざりして、無意識にため息が溢れる。 そんな俺の様子に、高校に入って、初めてできた友人と呼ばれるそいつ、瀬名裕太(せなゆうた)は悪気のひとつもないように続ける。 「だってお前らって見るからに正反対じゃん」 「…だから何だよ」 「そんな怒んなって」 「っ…、別に怒ってるわけじゃ…」 言いかけた言葉を遮るようにズンと頭上に感じる重み。 と、一緒にふわっと鼻孔を擽る香りに一瞬でその人物を思い浮かべた。 「…重い…どけよ!」 「俺だけ除け者にして密会?」 「はぁあ?」 振り向かなくてもわかる。 もう何年もずっと一緒にいるやつ。 俺の頭上に遠慮もなく乗っかってくるやつは、紛れもなくついさっきまで瀬名との会話に登場していた人物である。 来栖理斗は、所謂…幼なじみというやつだ。
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