【4】side瀬名

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【4】side瀬名

先日出来上がった校内新聞に、満面の笑みを浮かべる。 今回は、いつもよりさらに上出来な出来栄えだと思う。 ひとり、部室に篭りながらニヤつく。 無意識に緩くなる頬を両手で摘み、頬を吊り上げる。 (いかん…これはどっから見ても相当やばいやつだ…) 思い、頬のマッサージを兼ねてほっぺをムニムニしてたら背後から異様な気配を感じ取り、そのまま振り向く。 バッチリ、 部室の扉にもたれ掛かりながら、怪訝な表情でこっちを見つめる来栖の視線とぶつかる。 (…ヤバイ…) 本能的にそう感じる。 成瀬と連んでいる時…時々感じる背筋を慄くようなその雰囲気。 来栖の機嫌が心底悪いことを、すぐに理解してしまう俺は、それだけこの二人と付き合いが多いということだ。 「……なにしてんの?」 「………ちょっと…頬のマッサージを…、」 「ふーん…」 って、怖っ… その顔、全然納得してないじゃんかっ… 焦り、引き締めていた頬が思わず苦笑いに変わる。 しかし、ただただ来栖に睨まれているというこの状況… ヘタレな俺では、ものすごく耐え難い。 こうゆう時、機転が効くらしい俺の頭は、早く降参しろと言わんばかりに危険な警鐘が鳴り響いている。 「うん、ごめん。とりあえず、機嫌直して?」 「……俺、そんな不機嫌?」 「かなり…。俺、殺されるの?ってくらい」 「…あながち間違ってはないかも」 怒って言われるより、笑って言われてしまえば、余計に恐怖に身が縮む思いがする。 成瀬には悪いが…俺から見れば来栖は… かなりの欲深くて、嫉妬深い野郎だ。
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