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「じゃあ、バイバイゆう...付き合ってくれてありがと」
「うん」時間を見ると、もう十一時を過ぎている。
「私、結婚やめる。自分の好きな人と結婚するよ。親孝行は別でする。一人で抱え込まない。それと...高校の時みたいに嘘つかない」
「高校.....嘘...?それって何のこと?」すると彼女はクスッと笑った。
「そんなことよりさ、やめてくれない?」
「えっ?」
「春風って呼ぶの!カオリの方が恋人っぽくて好き」カオリは顔をくしゃくしゃにして笑った。
「恋人?」
「あー!言えなかった言葉も言えたし、それじゃ本当に!」そう言うと、僕の質問には答えず走ってどこかへ行ってしまった。
言えなかった言葉?僕も言えたよ。高校の時には言えなかった、カオリの好きな所。
僕は、カオリが行った方向とは逆に進み駅を目指した。
結局、僕の初恋は十年追いかけてたにも関わらずあっさり散ったな。
ふと、足を止める。
「眠いし、実家にでも寄っていくか」
それから僕は、実家に向かって歩き出した。
終
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