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日も昇って、辺りはすっかり明るくなった。春風はまだ話そうとしない。僕は彼女が喋るまで待った。
数十分後、春風は僕の方に体を向けて口を開いた。
「さっきは.....ありがとね」こっちに体を向けているのに気まずいのか、目を合わそうとしない。僕は目を合わそうとした。
「ここに呼んだのはね、その...悩みを聞いてもらうためじゃなくて、私の.....その最後を見送ってほしくて........本当にごめんなさい」春風は立ち上がって深く頭を下げた。
「もういいよ春風。その...こっちこそごめん」
「何でゆうが謝るの?」
「えっと、色々...?」僕が必死に考えている横で、春風は笑いだした。そして、泣き出した。
「本当にごめんなさい...ありがとう...ごめんもう死ぬなんて言わない.....一人で抱え込まない...うっ...嘘もつかない」そう言いながら、彼女はドサッと腰をおろした。それから泣きながらずっと謝ったり、お礼を言ったりの繰り返しだった。
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