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照り焼き賛歌
スーパーマーケット「三千代」は激安スーパーとして地域にその名を轟かせている。
開店前の店内では、鮮魚コーナーの陳列棚に養殖ブリの切り身を並べる鮮魚部門担当者の姿があった。
白いトレイをいくつも積んだカートを横に置き、手早く取り出しては次々と並べていく。
「ブリかぁ。今年はまだ食べて無いなぁ」
独り言を言いながらも手は止まらない。
「刺身で食いたいけど、こいつ加熱用だもんな。となると、やっぱり照り焼きか」
良いねぇ、照り焼き。
ため息混じりにそう言うと同時に、彼はブリの切り身を並べ終えた。
嫁さんに頼んでみよう。そんな事を考えながら、彼は次の陳列棚へと向かう。
開店まで後僅か。できればたくさん売れますように。
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