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その頃人々はまだ言葉を知らなかったので、同じ村の者でさえ会話をすることができなかった。だから朝がくれば花の咲く音で目を覚まし、飯の時間となれば羊の焼ける匂いをかぎとった。酒を振る舞うときには、酒に溺れよとばかりに池に大きな石を放り込むのが合図じゃった。
そんなある日、村の若者が畑で作物を刈っておった。
ざっぱ ざっぱ ざっぱ
調子は良好。今年は豊作間違いなし。
じゃが力みすぎて鎌がふっとんでしまう。
若者は慌てて拾いに行った。
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