番外編#3

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番外編#3

ピンポーン 「はーい!圭太、出てくれるー?」 「はいはいっと。」 「もえがいくー!」 ダイニングテーブルにお皿を並べていた圭太と(もえ)が、競うように玄関へ向かう。 玉ねぎ、ナス、かぼちゃ、しいたけ、ピーマン、おくら、バーベキューで焼く野菜をバットに並べ、お皿に盛ったトマトとモッツァレラチーズのカプレーゼは一旦冷蔵庫へ。 茹でた枝豆を器に分け入れ、トウモロコシを食べやすい大きさに切り、お皿に盛る。 「あとは…みんな揃ったらお肉を出して…こんなもんでオッケーかなぁ…」 「ママー!はるくんきたよー!はるくん、こっちこっち!」 パタパタと、廊下を駆ける2つの足音に、キッチンから出てリビングのドアを開け、萌と、悠真(はるま)くんを迎え入れる。 「おじゃましまーす。」 「おじゃまします。」 「半ちゃん、透子さんいらっしゃーい。(りん)ちゃんもー!」 「こんちあー!」 「こんにちは!凛ちゃんご挨拶上手〜!」 半ちゃんに手を引かれてトコトコと歩いてきた凛ちゃんは、私の前で、ぺこりと体を半分に折り曲げてお辞儀をした。 「おじゃましまーす!」 「おじゃまします!」 その後ろから、千奈とその旦那さまの(いつき)くんも顔を出した。 「千奈、樹くん、いらっしゃーい!どうぞどうぞ、入ってー。」 一生恋愛を楽しむから結婚はしない!と豪語してた千奈は、2年前に6歳年下の樹くんと、突然入籍した。 一生恋愛を楽しもうって思ったけど、よく考えたら、歳を重ねたら誰も相手にしてくれなくなるから、好きって言ってくれる人がいるうちに手を打った。なんて言ってたけど、樹くんを手放したくないほど好きになった。って言うのが本音だと思う。 半ちゃんと透子さんの間には、4歳の悠真くんと、2歳の凛ちゃん。 2人とも、両親の血をしっかり受け継いで、ほんわか和ませキャラの優しい子達だ。 「奏太(そうた)くんは?」 「あー、今日ね、みんなが来るって張り切ってすっごく早起きしたら、眠たくなっちゃったみたいで…朝寝してるー。お陰で準備が捗った。笑」 「さえ、これは外に運んでいいやつ?」 「あ、うん、お願い〜」 今日は、みんな集まって我が家でBBQ。 真由香と祐二も子供達と一緒に来る予定だから、賑やかになりそうだ。
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