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乙女のふれあう朝は星色
星冴ゆる夜も終わろうとする頃。
はるか上空を見上げるふたりがいた。
「しばらくは、向こうに戻ることはないね」
「そうね」
見上げた先にあるのは無限に広がっていく常闇と、その手前――一番近いところに浮かんでいる青い星。
その奥の方からはもうひとつの光が差し込んでくるところだ。
「……ねえ」
「なに?」
少し心配そうな声色に、自然と肩を抱き寄せながら訊いた。
いつもなら『……何よ』とか言いながら身をよじったりするのだが、今はそんな素振りもなかった。
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