離別

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 男はと言うと、背が高いのは確かだが、遠目だから顔ははっきり分からない。  而も男は女に逃げられた後、欄干に寄り掛かり、項垂れて川面に向かって愚痴り出したので顔が全く見えない。  俺は男の顔より何をぶつぶつ言っているのか興味が湧いて来て男に近づいて行ったが、男は脇目もふらず呟き続けている。  俺が男によっぽど近づいた時、愚痴を聞かれたと思ったものか男は突然、俺に振り向いた。
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