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※性的表現があります。
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「ん……っ、や、ぁッ!……ぅ、ぁ……」
掠れた声が情欲を煽る。誘われるままにタカヤの肌へ所有印を刻みながら、濡らした指先で奥の蕾を解した。少しずつ柔らかくなる内壁に、指を2本、3本と増やしていく。
初めての行為に躯を硬くするタカヤを、キスと甘い囁きで溶かした。潤んだ蒼い瞳から、澄んだ涙が零れ落ちるたびに、唇で受け止める。
「愛してる」
乱れた呼吸を必死で整えるタカヤの唇を、触れるだけの接吻けで奪う。
3本の指で慣らしていた秘処から、くちゅっと濡れた音が響いた。ぺろりと自分の唇を舐めて湿らせたサリエルが、ゆっくりと指を引き抜く。
ぐったりとベッドに沈む肢体は魅惑的で、どれだけ貪っても足りない気がした。
「……いい?」
曖昧な問いかけの意味を、タカヤは理解できなかった。霧がかかったような頭は働かず、言葉をただ唇で繰り返す。けれど、自分の上に覆い被さったサリエルの肌の熱さに、火傷しそうな眩暈を感じた。
太股に触れた灼熱に、ぼんやりとしたまま頷く。
この先に訪れる痛みを知らないからこそ、いや……知っていても頷いただろう。半端な覚悟で、我が身を差し出したんじゃない。生きたまま引き裂かれる激痛でも、許せるから……。
「いぃ……から……」
「タカヤ」
白いしなやかな脚を抱え上げ、双丘を割って身を挟む。蕾に触れた瞬間、びくりと竦んだ肌を手のひらで宥めた。
「んぁ、あぁああ―――ッ!!」
喉が張り裂けんばかりの叫びは、タカヤの身が受けた激痛を示していた。震える肌を抱き締め、タカヤの爪が食い込む背の痛みを受け止める。いくら濡らして解しても、受け入れる機能を持たない秘処は侵入を拒む。キツい締め付けは、サリエルにも痛みを感じさせた。
「……ぁ、っ……あぅッ!――っ、ンん」
声にならない悲鳴を、接吻けで掬う。噛み締めそうになった唇をおとない、幾度も啄ばんで開かせた。絡めた舌で、ゆっくりと呼吸を思い出させる。
少し楽になったのか、肩で息をするタカヤの表情が和らいだ。激痛から青白くなっていた顔色は、仄かに赤みが差している。
「ぁ……ふぅ……っ、あン、っ」
腰を揺らしても声に痛みが交じらないのを確認して、奥を突くように動かす。眩暈がしそうなほどの快楽が、サリエルを包み込んだ。内壁の動きも温かさもキツさも、何もかもが嬉しい。
「愛してる、タカヤだけだ」
囁かれた声に、タカヤは目を細めて涙を落とした。頬を伝う雫を、サリエルの唇が優しく拭ってくれる。挿入された直後の激痛は、呼吸を阻害するほどだった。それでも今はサリエルの優しい腕の温もりと、全身の肌が粟立つような快感しか感じない。
優しく、痛みを与えないように動いてくれるサリエルに合わせて、少しだけ自分でも腰を振っていた。半ば以上無意識に、まるで強請るみたいな動きは、最奥へ突き上げるサリエルの欲望によって返される。
ただただ……幸せだった。
「やぁ……ッ!あぁああ……」
誰も触れさせていない奥へ、欲望を叩きつける。熱い飛沫を感じて絞り上げるタカヤに、サリエルは堪え切れずに達した。すべての想いを奥へ注ぎ込んで、汗ばんだ額に張り付くタカヤの黒髪を指で掻き上げる。
意識を失ったタカヤの蒼い瞳は見られなかったが、儚い笑みを浮かべているように見えた。
「……ホントに、ありがとな」
オレを選んでくれて――。
言葉にならなかった思いを込めて、額へ接吻けた。
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