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夜、いざ電話をかける段取りになると
昼間たくさん泣いたせいか、気持ちはすっきりとしていた。
いつも通り、
電話をかけるとしばらくしてから出た。
『…はい、何』
ため息が聞こえてきそうな気怠い声。
最初は決してそんなことなかった。
正気の時にこの声を聞くと辛い。
ごめんね、もう終わらせるから。
『ごめん大樹、いきなりだけど話したいことがある』
いつもと違うはっきりとした物言いに
何かを感じたのか、少しの沈黙があった。
『…何?』
すっきりしたはずなのに、
すでに涙腺が緩む。
だめだ、こんなところで泣いちゃ。
その為に昼間たくさん泣いた。
はぁ、と一旦息を吐き出し涙も止める。
『…もう、別れよう。終わりにしよう。』
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