「終わりにしよう。」

4/5
前へ
/15ページ
次へ
『…なんで』 なんで、と言いつつも答えが分かっている口ぶり。 『分かってるでしょ…もう、限界だよ私…』 『…ごめん、言わせた。そうだな。』 しばらくの沈黙の後に大樹がポツリと言った。 『俺も…もう限界だった。ごめん。』 分かってはいたが、いざ告げられると すっと体の熱が引いた。 そうだよね、 口に出さなかったけどやっぱりそうだったんだ。 大樹に告げられる前に、自分で気づくことができた。 これでよかったんだ。 電話を終わらせようと思った瞬間、 思いがけないことを言われた。 『でも、最後一日だけ俺にちょうだい。 明日そっち帰るから。それで終わりにしよう。』
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加