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『…なんで』
なんで、と言いつつも答えが分かっている口ぶり。
『分かってるでしょ…もう、限界だよ私…』
『…ごめん、言わせた。そうだな。』
しばらくの沈黙の後に大樹がポツリと言った。
『俺も…もう限界だった。ごめん。』
分かってはいたが、いざ告げられると
すっと体の熱が引いた。
そうだよね、
口に出さなかったけどやっぱりそうだったんだ。
大樹に告げられる前に、自分で気づくことができた。
これでよかったんだ。
電話を終わらせようと思った瞬間、
思いがけないことを言われた。
『でも、最後一日だけ俺にちょうだい。
明日そっち帰るから。それで終わりにしよう。』
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