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―翌日―
「お、来た来た~……相っ変わらずすごいことするよなぁ、コイツは。」
オレのもとに送られてきた例の企画書に書いてあった内容、それはまさに〈真面目を真面目で制す〉と言わんばかりのものだった。
これは流石にオレの付け加えが蛇足レベルの完成度だ。
―臨海高校、1-C―
「えっ、ハロウィン限定で〈誘いの墓場〉に新モンスターがポップした?」
「おう、今朝新太から連絡があってさ……当然アイツはAR派だから来れないみたいなこと言ってたけど、瑠菜なら大丈夫なんじゃないかって思ったんだ。どうかな?」
「別にいいけどさ……ヒロくんは行かないとか無しにしてよ?」
この女ぁ!それじゃ意味ないから!……っと、危ない危ない。危うく手の内を見せるとこだった。
瑠菜はホントにお化け嫌いだからなぁ…だからこそイジりたくなるわけよ……はいいんだけど、問題はどうやって例の場所まで連れていけばいいのやら……そうだ、〈小さい子作戦〉だ!
「前に瑠菜に憧れてる女の子がいるって教えただろ?その子も今日は来るみたいだし…二人で行ってこいよ。どうせオレ、影夜ん家に用事があったし。」
ただ遊びたいってだけの真っ赤なウソだがな!
「あら、そうなの!じゃあ夜に行けばいいのね、了解了解~♪」
オレもあまり人のことを言えたあれじゃないけど、正直瑠菜はあまりにもチョロすぎる。自分より年下の子の話題を出せばすぐOKだ。
むしろこれが効く女の子で良かったわ。
さて、新太の野郎はうまく誘えてるのかって話になってくるよなぁ。
―その頃、新太は―
学校休みだから学校帰りに誘うとかできねぇぇぇ!
ってか、オレから女の子に声かけるとかそれただのナンパじゃん!二菜に何されるか分かったもんじゃないぜ、オイ!
〈新太の脳内想像図〉
『新太、浮気したの?………有罪、切腹して。私、裏切り者には容赦したくないの。』
「切腹とかマジで絶対ヤダぁぁあ!どうしろっていうんだよぉぉぉぉ!」
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