神さまの恋〜その日私は出会った〜

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私は、俗に言う「神」。 神だって恋をする。 結構一途だ。 そんな私の現在進行形の恋に 新しいページが開こうとしていた。 この日の私達は ハラハラと花弁を舞い散らせる桜の木の下に座っていた。 「ねぇ〜神さま?」 「ん?」 「桜の木の神さまって、どんな神さまなの?」 「綺麗だけど…可愛くて、わがままだけど…憎めない。そんな神さまだよ」 「綺麗で可愛いんだ…」 彼女の呟いた一言で、私は思い出した。 桜の木の神は 【嫉妬深い】 そう思うと同時に 旋風が起こり 桜の花弁が私達の頭上を舞う。 「神さま見て!綺麗〜」 「そうだね。」 花弁に差し伸べた手 花弁を見つめるキラキラとした眼差し 君のすべてを愛おしいと思った。 そして、もう一人。 桜の花弁が舞い散る中 私は見つけた。 遠くから君を見つめる彼を。 桜の花弁を手の中に収めようとする君を愛おしい眼差しで見つめる彼。 桜の木の神の嫉妬か? それとも、ただの必然か? どちらにしても その日私は出会ったのだ。 君を笑顔にしてくれる人間に。
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