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雨の救世主
各地で被害にあった人達が集まってくれた。つまり私が引っ越した場所で、雨の被害を被った人達である。しかも何故か雨女の紗織に感謝していた。
「それ聞いて、私だって、びっくりした。だって不幸な雨女だとずっと嘆いてたでしょ?」
「みんな紗織さんに助けられたんですよ。必死になって、躊躇していた私たちに避難をすすめてくれました」
「川に溺れそうになったこの子を助けてくれたのは紗織さんです」
「足の悪い夫を運んでくださいましたよね」
「屋根の雨漏りまで、治してくれた。凄い女性ですよ」
「天気予報より、雨が降る時間を正確に教えてくださいました。そして落ち込んでいる被災者を励ましてくれた」
「私たちにとっては命の恩人ですから」
豪華な料理が運ばれ、お酒もテーブルに並ぶと、紗織への感謝の言葉は絶え間なく続き、紗織は困惑しながら聞いていた。
「あの〜、でも違うんです。私は経験豊富なだけで、ボランティアとして慣れてるだけです。安全な場所もなんとなくわかる。でも、私が被害を招いている気がして、申し訳ない気持ちでいっぱいなんです」
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