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そんな愛の伝道師が私に仕掛けた罠がこの前の妹を巻き込んだ食事会であった。正直、久しぶりに大勢の人に囲まれて美味しい食事をしたのはやはり楽しかった。
しかも雨女は悪くない。貴方はこんなに沢山の人を助けたではないか?
神野洋介のほくそ笑むような笑顔が目に浮かんできた。悔しいけど、愛の伝道師はそうやって私を何度となく救っている。
私は雨を降らせては自らの心をカラカラにしていた。もう生きていけないと思うくらい渇き切ったぼろぼろの心を彼は暖かい手で抱きしめてくれた。
ある意味、神野洋介を作ったのは私かもしれない。というかそうなんだと、私を洗脳して結婚しようとしている摩訶不思議な男との腐れ縁である。
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