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プロローグ
少女は血相を変えて走っていた。
西暦2028年の帝都ナリマ地区に人の気配はなく、ひび割れたビルや穴だらけの道路ばかりが並ぶ廃墟と化している。
少女は、その欠損した道路につまずき、転んだ。
「あ…ああ!」
わらわらとおぼろな姿の人間たちが姿を見せた。だらんと手を下ろし、口を開き、毛髪は抜け落ち、ぼろ雑巾のようになった衣服をまとっていた。
それだけでなく、体からは無数のハエが飛び交っている。
「も、もういやーーーー!」
その無数の亡者たちは少女を取り囲み始めた。
俺は廃墟の影からその様子を眺めていた。何と醜いクリーチャーだろう。俺の作り出したガラクタの方がだいぶマシだと思う。
『いけ、わが尖兵たちよ!』
「ぎょえっへーーーーーー!!」
今けしかけたのは、仮面をつけた黒づくめの戦士たちだ。その数およそ40。奴らは奇声を上げ、少女を取り囲む亡者に襲い掛かった。
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