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町田が来なくなってから俺は、不安で仕方なかった、あの告白の時なぜすぐに返事が出来なかったのか、町田がいない日が過ぎるたび後悔する。
2週間が過ぎたころ、狩野に連れられた町田が部活に顔を出した。
しかしあの活発で絶えず笑顔の町田はいなかった。
町田が部活に顔を出し、嬉しい反面、性格の変化にまだ不安を拭えなかった。
練習も町田は遠くから見学するだけで、俺と町田は目すら合わなかった。
俺は一言謝りたくて部活が終わってから先に帰った町田を追いかけた、全速力で走って学校を後にすると、10分ほどで町田に追い付いた。
「町田!!」
思わずさん付けを忘れた。
「新くん……」
町田は驚いたように目を見開くと、俯いているしまった。
「この前は……返事が、で、出来なくて、ごめん」
俺は深呼吸も忘れて伝えた。
頭を下げて謝ったが、町田からの返答はなく、頭を上げてみると、町田は挙動不審に辺りをキョロキョロと見渡していた。
「あ……」
町田は俺と目が合うとまたすぐに目を伏せた。
「ごめんなさい……あの時の言葉は忘れて……」
怯えた顔でそれだけ言うと、町田は走っていってしまった。
俺は何があったのか、気持ちに整理もつかないまま、町田はもう、部活に現れることはなく、卒業するまで、一言も話さなかった。
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