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【過去からの花束】
クラティア侵攻もどうにか退け、つかの間の平和が訪れている。
女王主催の祝宴や祝いの振る舞いに、一時は死んだようだった街はそんな事忘れたように活気づいている。
ランバートは祝宴の前に街の南側へと来ていた。そして、一軒の花屋を見つけてドアを開けた。
「すみません」
「はーい!」
愛らしい花々が溢れる小さな店の奥から、一人の少女が顔を出した。長い赤髪に紅茶色の瞳をした、なんとも愛らしい少女だ。
「すみません、花束を一つお願いしたいのですが」
「どのような花束ですか?」
愛らしく人好きのする少女の瞳が、僅かに曇ったように思った。
それを見て、ランバートは直ぐに花の用途を色々と思い浮かべ、苦笑した。
「女性に贈る、可愛い物がいいのですが」
途端、少女の瞳に愛らしさと安堵が広がり輝く笑みが浮かぶ。
死者に手向ける物ではない。それだけで、安心したのだろう。
「お色味と大きさはどうしますか?」
「そうだな…白と、ピンクで。大きさは女性の両手に乗るくらいの、小さなもので」
「カードは書かれますか?」
少し考えて、ランバートは頷きメッセージカートとペンを受け取った。
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