日没と霧

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 懐かしさがしみ込んだ電車。窓辺から見える景色は何も変わってなくて、彼との思い出が泡沫のように弾ける。  くだらない話を思い出しては頬が緩んで、ケンカした話を思い出せば自然と口が引き締まる。  そういうえば勉強も教えてあげたっけ。期末前なんか電車の中で慌てて課題を終わらせてたり。  もうお別れなんだ。この思い出も全て忘れてしまうしかないんだ。もう会えないんだから。最後はせめて、笑っていたい。  泣いた姿は見せられない。
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