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第2話
菜月は会社を立ち上げるため、日々、奮闘していた。デザイン系の学校にも通い、経営も学んだ。必要な知識や人脈など、自分の力で出来る限る作っていった。
年上の兄は、元はいいのに、お洒落とかまったく関心がないのを……我慢ができず、変えた。
高校に通っていた兄は、少しずつ変化し見た目も気遣うようになった。大学に行った兄は、急にモテるようになったが……本人はあまりモテる事に興味はなかったようだ。
菜月は、坂本グループの娘として生まれたが、お嬢様扱いを嫌った。
「お嬢、今日はどうされたんです?」
「なに?」
「いや……」
「……はぁ……」
小さい頃から、厳ついけれども頭が妙に切れる男どもがいる中で育った菜月。当たり前だと思っていたのは、学校で崩れ去る。
「ほら、坂本グループの……」
「ねぇ、あの方……」
お嬢様系の学校でも、遠巻き。「あぁ、ウザい」といつも心の中で言っていた。勉強もぬかりなくしていた菜月は、一目置かれるというより、どんどん距離を置かれていく。
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