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俺の中で、何か……変わろうとした。
あれから、必死に勉強をした。夜間学校にも通って、高校卒業し孝一と同じように大学に進んだ。
頭だけでなく、身体も鍛えた。
大学では、ITプログラミング工学や、語学、経営なども幅広く学んだ。大学院を薦められたが断り、孝一の内々の秘書にまでなった。
孝一の傍で、色んな仕事。苦情処理という名の、黒い仕事も請け負った。
「ふぅ……今回は、少々やっかいでしたよ」
「すまないな、山本」
「いえ、半分は……」
「ははっ、アイツのためか?」
彼女が、最近付き合っていた男はヤりながら別れ話をしていた。
『あぁー!! なんてヤツ!! シながら別れ話って、なにーーー!!』
あの日、今までの別れ話で一番悔しそうだった。
色んな男が、坂本の名で寄ってくる。ソレを一番嫌うと言うのに。おまけに、今回は、孝一のコンサル会社の片腕の加賀の件だった。孝一の仕事に影響が出るのも、何より……あの、加賀だ。
彼の想い続けた気持ち、分からないでもない。健次郎自身も、ある意味、想い続けている。
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