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昨夜のツケは肌にきた。
お化粧水が入らない。
コットンにしっかり含ませて頬に乗せる。
「最悪だ…」
若ければ、お化粧をしたまま寝ても翌日肌がガビガビになる事なんてほとんどと言っていいほどない。
30代半ば、たった一夜の事で肌質が悪くなる…。
じっくり化粧水を肌に入れた後、お高い美容液をたっぷり肌にのせた。
頼むから、せめて化粧のりが悪く見えない程度にはなって!
少し時間をかけてハンドプレスしていくと肌はしっとりした感じになった。
ホッとしたと同時に、白木部長の無防備な寝顔を思い出してしまった。
仕事では見れない顔を見た。
幼くて、無防備な寝顔。
いつもの冷たい雰囲気なんて払拭させる様な…。
胸がキュッとして、私はブンブン頭を振った。
何考えてるんだか…。
クローゼットを開け、この間買ったばかりのベージュのニットワンピースを取り出す。
お化粧をしながら、恵梨香に連絡する。
もう少しで家を出れるよ。って。
直ぐに恵梨香から返信がある。
会社近くのカフェで待ち合わせする事になった。
恵梨香は休日出勤しているとの事だった。
「だから、あの時間に電話だったんだ…」
呟いき、スマホを置いた。
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