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スマホの向こうは静かだ…。
ヤバイ、勢い余って大きな声で謝罪してしまった。
『川瀬さん、うるさい。』
静かにそう言われ、平謝りの私。
『朝起きたら、既に帰った様だったから無事に帰れたのか気になって電話したんだけど、心配する事はなかったようだな。』
この部長は、私(部下)の所在確認の為電話して来たんだ。
「すみません、声掛けるのも申し訳なくて勝手に帰りました。昨夜は申し訳ありませんでした。今後このような事の無いよう気をつけます。」
何で隣に寝ていたのかは気になったけど、そこは敢えて聞かないでおこう。
そう思ったのに、部長はいつもの部長とは違う雰囲気を電話の向こうで醸し出している。
クスクス笑う声が聞こえる。
「あのぉ…。」
『川瀬、【恋愛出来ない女】なの?』
笑いを抑え、サラリと聞かれた。
「はっ??」
頭の中は真っ白。
なんでそんな事部長に聞かれないといけないの?
それって、セクハラなんじゃないの?
モラハラ?パワハラ?なんだっていい!
「どういう意味ですか?」
パニックになってる脳みそを何とか働かせて言葉にすると、部長は更に私を奈落の底へ落とす。
『昨夜、俺に抱きついて言っただろ?【5年は男に抱かれて無い。だから一緒に寝て下さい】って。』
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