pulorogue

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 シャワーの音が止んでしばらくした後、バスルームをガラリと開ける音がワンルームの部屋に響く。私はその幕開けをタオルケットにくるまる肌で感じ取り、とうとう審判の時が来たのだと自分に言い聞かせる。  幼い時から今日に至るまでの日々。私達は幼馴染みとして、恋人同士としていつだって一緒に過ごしてきた。でも季節は巡り、お互い大人になって、私達の距離は緩やかに遠ざかっていった。  ケンカしたとか、相手に飽きたとか、そういうのじゃなくて、ただ何となくお互い気持ちが離れていっているなというのを感じていた。そこに彼の仕事の、地方への配属の話が舞い込んできた。その話をどこか寂しげにポツリと語る彼に、お互い遠距離恋愛できるタイプじゃないよねって冷たい反応を返してしまった。言葉には出さなかったけれど、事実上のお別れ宣言だった。 「ごめん。待たせちゃって。寒くなかった?」 「うぅん。タオルケットあるし。それに心臓バクバクで…身体中熱い、かも。」  彼が全身にホカホカの湯気を纏わせながら、タオルを腰に巻いて私の前に出てくる。緊張からか、何故かその姿に笑いが込み上げる。 「何その格好? これからしようって言うのに、巻いてても意味ないじゃん。」 「う、でも流石にいきなり全裸っていうのは、ちょっと恥ずかしいというか、失礼というか…」 「あはは。変なの。…まだまだ子供だね。」
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