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店につくとカートにカゴをのせて必要なものを入れていく。お弁当の材料以外に今日の夕ご飯の食材も買うつもりだ。
「今日の夕食、大根とスペアリブ煮込みとサラダ、他に何か食べたいものあるかな」
ここまでだと食堂で出す定食のメニューなのだが、そこに二品ほど作りたい。
「そうですね、しじみの味噌汁と焼き魚で」
郷田は好き嫌いがない。だが、貝類が特に好きで、食べる時に目じりが少し垂れるのだ。それが可愛くて沖の密かな楽しみだったりする。
「わかった」
冷凍庫に砂抜き済のしじみとあさりはストックされているのでそれを使えばいい。あさつきは買わないとないので籠の中へと入れた。弁当で使う食材もカゴへといれた。
精算をしにレジへと並び、それも済むと荷物を段ボールと袋へと詰めた。
「一太君と一緒に買い物にいくと楽しいし、重いものを持ってくれるから楽できちゃう」
「俺の役割だと思っているんで。気にしないでください」
平日は沖にまかせっきりなのだからというが、休日には必ず手伝ってくれる。
「うん。これからも遠慮しないから」
疲れているのだから休日くらいはゆっくりしてほしいが、郷田は手伝いを申し出てくれるので遠慮はしないことにした。そのかわりに自分ができることで郷田を少しでも癒したい。
「一太君も俺にして欲しいことがあったら遠慮なく言ってね」
「はい」
家に帰り買ってきたものを冷蔵庫へとしまう。
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