1/7
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ

 俺は不遇な上に人生の選択を悉く誤って生業を決める上で蹉跌した。だから天職には努々就くことが出来ない。おまけに世の中の既成の価値観が可笑しいから俺は正当に評価されない。仍って俺は何処の会社へ行っても上手く行かず職を転々としてしまうのだ。  そう思う秀一はニーチェの言うルサンチマンに蝕まれているようだが、価値観の転換をせよと唱えたニーチェのようにパラダイムシフトしていて、それが言動に出てしまうから自ずとドロップアウトして三十歳の時も転職して或る樹脂原料製造工場で働くことになった。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!