第2章

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第2章

       † † †  第2章  † † †   眠れない夜を過ごしているうちに、窓の外がふんわりと明らんできた。  断片的には寝ていたのだろう。けれど、まどろんでいると昨日の夕方に見てしまったニーナの姿が脳裏に何度も再生され目が醒めてしまうのだ。  ぼんやりと天井を見つめているうちに、廊下を往来する看護師の足音が多くなってきた。夜勤から日勤の担当に変わる時間なのだろう。  何日目の朝だろうか。三月九日、月曜日ということはわかっているが──。  最初のうちは数えていた健吾だったが、百日を過ぎてからは(せん)ないことだと止めてしまった。 「青崎さん、おはようございます。検温です」  日勤の看護師が入ってきた。  彼女たちにとっては、また同じような一日が始まるのだ。  自分は違うのだけれど。 「調子はいかがですか、青崎さん」 「まあ、よくもなく、わるくもなく」  早紀に言っているのと同じ返答をして、体温計を受け取り、脇の下に挟んだ。 「今日も寒いですよぉ」
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