第1話 下敷きと感触

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 「お……い……お…ろ………ろく……起きろ!六条!!」  バンッっと頭を何か薄くて硬い鉄板のような物で殴られて目が覚めた。  「痛ってぇ、何するんだよ……げっ」  忘れていた。5限の授業は鬼の体育教師こと尾弍(おに)彰介(しょうすけ)だった。  そういえば、国語の教師が風邪で休んでいて今日は自習だった。  「何するんだよ、じゃねぇ!!俺の授業でよくもまあ寝てたなぁ六条!そんなに寝たなら夜は眠くないだろ?お前の分のプリントだ。精々頑張れよ?」  これは、ヤバイ。いや、まあ寝ていた俺が悪いのだが流石にこんな辞典ですか?となるような量今日中には絶対無理だし、そもそもやりたくない。兎に角、何とか言い訳を考えなくては!  「いや、実は最近不眠症で……」  いや、これは苦しいだろ俺!?もっと、ましなのなかったのかよ!  「そうだったのか……それは、悪かったな。ゆっくり休みなさい」  いや、信じちゃうのかよぉぉぉぉ!!?善良過ぎるというか純粋かよ!なんか、ごめんね!?  そんなこんなで何とか許可は貰ったが、正直寝にくくなったので寝れなかった。
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