憧憬

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一瞬で目を奪われた。 それは刹那の間に彼女の心を動かし、あまつさえ恋心まで抱かせてしまった。 ひと時前まで彼女はこの写真展覧会にて、つまらなさそうに壁際の写真達に一瞥をくれるだけで、ただゆくあてもなく足を動かしていただけだった。 それが、出会ってしまった。 彼女を虜にするほどの、この1枚に。 じっと見入り、ふと気づけば時計の針がかなり進んでいた。 彼女はポケットから携帯を取り出し、写真の下にある名前を検索した。 そして彼女は...
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