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***  食事を終えた僕は、自室の勉強机の上に、教科書とワークドリル、そしてノートを置くと、今日授業で習った勉強の復習に取りかかった。毎日行っている復習と予習。これだけでもしっかりやっていれば、多少難しい授業でもついていける。 ピロン  生物のワークの、3問目の問題を読んでいたとき、ベッドの上においてあったスマホの通知音が鳴った。  あー通知切り忘れてた。勉強中、スマホの音が聞こえると気になって集中できないため、僕はいつも通知音をオフにしている。  僕はシャーペンを置き、椅子から立ち上がるとベッドの上に放り投げてあるスマホを手に取った。  通知音を消そうとしたとき、ピロンとまた音がなり、画面には「ハルカ」の文字が。  どきん。  心臓が大きく波打つ。  ハルカさんからの、メールだ。  友人からのLINEとかだったら、後回しにするつもりだったけれど、ハルカさんは特別だ。  僕はロック画面のパスワードを解除して、メールアプリを開いた。 『ハルカ:明日の電話の時間、何時ごろがいいですか?時間、決めてなかったなと思って。』  ハルカ、という文字と、飾り気のないシンプルな紫色のアイコンを見ているだけで胸が高鳴る。  ハルカさんが、僕と電話することを楽しみにしてくれている。僕のことを考えてくれている。  それだけ胸がきゅう、と締め付けられる。   『アキ:んー明日は部活ないから、5時過ぎには電話できるよ。たぶん。学校終わったら一応連絡するけど。ハルカさんは?』  にこっと笑う顔の絵文字つきで送信する。 『ハルカ:俺はいつでも大丈夫なので‥‥。アキくんの空いてる時間に合わせます』  すぐに返信が返ってくる。  ハルカさんはいつも返信が早い。僕は学校で携帯の使用が禁止されているから、昼間は先生がいないときじゃないと、返せない。でも、ハルカさんは昼でもすぐに返信をくれる。たぶん仕事中もスマホを持ち歩けるんだと思う。 『アキ:じゃあ今日と同じくらいに電話するよ。5時15分くらいかな。すごい、楽しみ。今日も電話したのに、もう明日が楽しみだよ。僕は勉強に戻るね。また明日。』 『ハルカ:分かりました。俺も楽しみです。また明日。』  ハルカさんのメールは短い。絵文字も使わないし、あまり感情を表さない。でも、それが逆にドキドキするんだ。こんなに真面目そうな人が、電話ではあんなに変態でドMで、僕の前では乱れるなんて‥。
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