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もう一度でいいから、聡ちゃんに会いたい。
もう二度と会えないのかな?
町を去る日、私は聡ちゃんにメッセージを送った、"聡ちゃん、会いたい"
だけど今日は平日で、このメールに聡ちゃんが直ぐに気づくことは無い。
もうこの電話も解約しないといけない、解約する直前に私は最後のメッセージを送った。
''聡ちゃん、好きだよ。今まで、ありがとう。"
聡ちゃんが気付く頃、私はこの町にいない。
そして私は、一人で聡ちゃんのお母さんのお墓参りをした。
おばさんとおばあちゃんには、いつも優しくしてもらったな…。
ところが偶然にも、墓掃除に来たおばあちゃんに出くわしてしまった。
「美緒ちゃん、何かあったのかい?」
「ううん、なんでもない、おばあちゃん?あのね、聡ちゃんに伝えて欲しいことがあるの。
約束、守れなくてゴメンって…、
おばあちゃん、私行くね。」
少し寂しそうに笑うおばあちゃんに、私は心の中で別れを告げた。
"おばあちゃん、さよなら''
この直後、私達家族はこの町から姿を消した。
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