Dear My Love

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あの日別れを告げてから、5年がたった。 東京へ夢を追いかけて上京。 都会の雑踏と喧騒は、田舎育ちの僕にとっては恐怖を与えるものでしかなかった。 それでも必死に喰らいついて。 もがいて、突っ走って。 やっと僕は夢だった職業に就く事ができた。 マスコミ業界、テレビの制作会社。 今は毎日多忙で、会社に泊り込んだり、家に帰ることができない日々が続いてる。 でも、毎日が充実してるんだ。 一つの映像を完成させたときの達成感。 そのパケがテレビで流れる瞬間の幸福感。 田舎を飛び出して、たった一つの目標に向かって走って。 余計な物は全て切り捨ててきた。 そう、君も。 後悔していないと言えば、嘘になる。 今でも会いたいという感情が湧き上がる。 でも、その気持ちに蓋をして。
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