狂気の選択

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 やはり、殺人鬼のキャラクターとなれば凶器を持つのが定番だろう。 マイケル・マイヤーズは、侵入した家にあったもので殺戮を繰り返していた。ハンマーや包丁、目ぼしいものがなければ、素手で相手を殺害する。 被害者の家では呼び鈴を押さなければ、ノックもせず、何時の間にか侵入しているのがマイケル・マイヤーズの手法だ。 この二点を巧く使えば、今回のハロウィン・パーティーに参加したサークル仲間たちは全員びっくりするだろう。女は歪に口角を吊り上げる。  去年のハロウィンでは、ロクなことがなかった。 『ムカデ人間』の被害者たちのように、サークルメンバーでムカデ人間の仮装しろと言われたり『ミスター・タスク』のようなセイウチ人間の仮装をしろとも言われた。尤も更にえげつない仮装をしろと意見するメンバーもいたが、今年は各自が好きな仮装で参加出来るのだ。  「ハロウィンまであと数日。みんなをびっくりさせる方法を考えなきゃね」  女は「ふふふ」と笑いながら、玩具店を後にした。
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