狂気の選択

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 勿論、盲獣がどんな人物か、御堂幸一はよく知っている。 盲目の変わりに、それ以外の感覚に優れ、触ることで相手の情報を正確に察知する特殊能力を持つ、和製『デアデビル』のようなキャラクターである。 『盲獣』と『一寸法師』はもともと別作品の登場人物でもある。 ホラー作品の登場人物同士を一つの作品で鉢合わせにする方法は『盲獣対一寸法師』が初で『ジェイソン対フレディ』や『エイリアン対プレデター』といった作品は、その数十年後の平成に登場した。 つまり日本の作品は先駆的であるというのが御堂幸一が、日本映画が好きな理由の一つである。  他にも『陰獣』や『屋根裏の散歩者』などもあるが、こちらは仮装には向かず『怪人二十面相』のする『魔人ゴング』や『電人M』更には『青銅魔人』に『人間豹』もアイデアにあったが、それがある映画はDVDでは出ていないので断念した。  「去年は泣かされたが、今年こそはブイブイ言わせてやるからな」  御堂は玩具のサングラスとステッキ、それからベレー帽をレジで購入すると、玩具店を後にした。
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