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四
映画研究サークルなら、映画製作の背景にも目を向けるべきだ。
『13日の金曜日』『悪魔のいけにえ』の殺人鬼はエド・ゲインという実在した殺人犯がモデルとなったことや『エルム街の悪夢』の怪人は睡眠障害の一種であるプルガダ病がモデルになっていること。
『チャイルドプレイ』シリーズのチャッキーは、モデルとなった人形が実在するが、本家のは映画のより不細工だ。チャッキーの本名はチャールズ・リー・レイといって、実在したカルト教団の教祖チャーリー・マンソンや他二名の名前が使われている。
女版の『アナベル』も実在し、オカルト美術館に飾られている。感連作『資料館』シリーズに登場するエンフィールド夫妻も実在した牧師だ。
『IT』のペニー・ワイズは、実在する殺人ピエロ、ジョン・ゲイシーがモデルとされている。ピエロ恐怖症というトラウマを世に産み落とした殺人者だ。
『スクリーム』は上映前に内容と瓜二つな事件が起きたので、上映中止になったが『4』まで上映出来た作品だ。このように映画製作の背景を知れば、作品をより深く理解できるのに、メンバーたちは本編の内容ばかりを話すのは如何なものか。
「いいネタはないかな。と」
室崎駿一は、レポート用紙を一枚一枚眺めながら、ハロウィンで仮装するアイデアを探る。
「これなんかいいかもな」
予期せぬ来訪者が、家にやって来て、襲いかかる『ストレンジャーズ/戦慄の来訪者』が目に止まる。勿論、実際に起きたことだが真相も不明のまま、犯人も分からないコールドケースになった事件である。
招かざる客の登場は、どこかどきどきさせるものがあるし、襲いかかる変わりにいたずらをすると迫力も出る。
「これのマスクは......」
『ハロウィン』のマイケル・マイヤーズは先に誰かが購入していったらしい『ソウ』のジグソウのもだ。隠れた人気仮装らしいが、うちのメンバーはこだわるタイプだ。
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