ミコちゃんのひみつ

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「サトくん。おばあちゃんをだますなんて、やりすぎなんじゃない」  こんなこわい顔のミコちゃんは初めてだ。サラサラの髪の毛が、怒ったネコの背中みたいに、ぶわっと逆立って見えた。 「ほら、なんとか言いなさいよ」  こんなこわい声も聞いたことがない。ミコちゃんはお姉ちゃんの貫録で、ぼくにぐいぐい迫ってくる。 「ごめんなさい。だれもミコちゃんの秘密を教えてくれなくて」 「もーう。しばらくおしゃべりしない」  口もとにギュッと力が入って、ぷっくりしたくちびるがぺっちゃんこ。  あごに梅干しの種みたいなグリグリをひっつけて、ミコちゃんは部屋から出ていった。  ぼくはミコちゃんが好きだ。  とってもやさしくて、とってもかわいい。  六つも年上なのに、小学生のぼくから、かわいいなんて言われてもニコニコしてるところが、またかわいい。  きょうは、ぼくがむりやり秘密を探り出したせいで、ごきげんがななめに走っていっちゃったけど、謎が解けたぼくは、ミコちゃんのことがますます好きになった。
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