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誰が、気づくだろう?
彼女に会いたいと口にした私を、酷く憐れんで見て来る人々。
もう、会えない彼女に会いたいと口にした私の異常さを人々は非難し、憐れんだのだ。
数年前に死んでしまった彼女を忘れられず、日々を無駄に過ごしてきた。
『死んでしまったものは仕方ない』
『どの時代でだって、死んだ者に会えたっていう資料は残ってないのだよ』
『気の毒ねぇ』
『もう、あの子のことは忘れてください。……っ、うぅ……』
『あの子は死んだんだ。これ以上私たちを苦しめないでくれ』
関わり合いのあった人全てが、私の気持ちの理解なんて出来なかった。
彼女の両親でさえ……。
私はある日夢を見た……。とても朧気でやさしく、あたたかい夢だ。
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