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タイムマシンに乗れるなら、過去に飛ぶか未来に飛ぶか。きょうの女子会(という名の飲み会)で、そんな話になった。私以外、三人のうちの誰かが言い出したことだけど、誰が言ったのか、その流れも覚えていない。
はっきりと覚えているのは絶賛婚活中の実咲の
「高校時代に帰って〇〇君と付き合い直したい」
という言葉。
〇〇の部分に入る名前は忘れた。
実咲にとってその時が一番楽しかったらしい。
そのまま続いていたらすんなりと幸せになっただろうって話。
私の考えは全く逆だった。
『未来に行って、自分がどこで何をしているのか見てみたい』
そして、隣に誰がいるのか知りたい。
少し怖いけど。
いま私の隣には誰もいない。
時々こうして実咲たちと会って雑談していても、満たされない。
孤独感がある。職場で嫌われているわけでもないのに。
そんなことを思いながら、一人暮らしのマンションに帰った。
三人と話して楽しかったはずが、気持ちはすっきりしない。
ベッドに転がり込んで、璃子と紗英が言っていたことを思い出してみる。
璃子「どっちにも行きたくないなぁ。やり直したくもないし、変に知りたくない」
紗英「未来に行きたい。けど、自分のことは見たくないな。80年後の世界とか見たい」
確かそんな感じだった。
全員違う考え。それでここまで仲が続いているのはある意味凄い。
着替えもお風呂もなしで、このまま眠ってしまいたい。
けど、女子的にそれはNGだ。
そう思う間にも身体がベッドに沈む。
駄目だ。駄目だと思いながらも、諦めて目を閉じた。
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