おまけ・甘くて柔らかくてとろけるもの、なーんだ?

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   * 「それは……」  指輪を買って貰ったら、外したくない。  でも、それで器に傷を付けたりしたら、困る。  だって、ちぃちゃんは、器を仕事にしている人の奥さんになるんだから。  だから、指輪は買って貰わない。  ちぃちゃんがざっくり話してくれたのは、そういう事だった。 「素敵……!めちゃめちゃ、甘い……!!」 「そう?」  ちぃちゃんは、ありがと、って言って、指に何も付けてない手を洗った。 「結局、次の日は、指輪を買わないなら代わりにって、今日とおんなじ事したなあ」 「え?」 「すき焼き。……それまで迷惑掛けた人達に結婚する事になったって報告がてら、お家ですき焼き。」 「ぷっ」  私は春菊を皿に盛りながら、吹き出した。 「……らしい!!ちぃちゃん家らしい!!」  なんだろう……その、素敵さとなんでそうなるが絶妙に混じり合った感じ。  かっこよすぎなくて、すごく好き。 「私、将来は絶対ちぃちゃん家みたいになりたい!」 「そう?ありがと?……でも」  ──でも、まなも、家の子だからね。  ちぃちゃんは白菜を軸と葉っぱに分けながら、私に向かってにっこり笑った。【終】
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