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夢を見た。
それは、とても幸せな夢。
夢の中の自分は無邪気に笑い、誰かを追いかけていた。
楽しくて、嬉しくて、仕方がなかった。
しかし、次の瞬間に辺りは暗闇に覆われる。苦しくて息ができない。このまま死んでしまうのではないかと思った。
「……!!」
誰かの叫ぶ声。その声を聞くやいなや、息はできるようになった。しかし、目の前が突如、真っ赤に染まる。
「……!!」
名前を叫んだ。叫んでいるのは自分なのに、その名前がわからない。
誰? キミは一体誰なんだ?
懐かしくて、温かい。なのに、悲しくて、冷たい。
僕は何度も夢を見ている。思い出せない、キミの夢。そして、ずっとずっと探している。
手を伸ばしても届かないキミを──。
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