SIDE:B

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 今でも時々思い出す。  長い休みに入ると、都会からやって来る元気な男の子。  二人で一日中、夢中になって遊んでいた。  山では昆虫採集に木登り、川では魚を捕ったり、水遊びをしたり。ついつい帰りが遅くなり、双方の親からこっぴどく叱られたこともある。項垂れる私を庇うように、彼は「ごめんなさい!」と何度も謝ってくれた。  彼が都会へ帰ってしまう日は、悲しくて仕方がなかった。泣きじゃくる私の頭を撫で、「また来るから」と笑う。  私はそれを信じて、次の休みを待ち続けた。ずっと休みならいいのに、どれほどそう思ったかしれない。  しかし、ある夏を境に彼とは会えなくなってしまった。  悲しくて、寂しかった。でも、その責任の一端は私にもあった。だから、何も言えなかった。  そのうち私も都会に行くことになり、物理的な距離は近くなった。会いに行こうと思えばいつでも行けた。  でも、私に会いに来なくなった彼の気持ちを思うと、私から会いに行くことなどできなかった。  そして……私は再び、ここへ戻ってきた。  この長閑な風景を眺めていると、ふと彼の顔がよぎる。思い出す頻度はこれまでよりずっと多くなった。  私は何度も思い出す。会いたくても会えないあなたのことを。そして、ずっとずっと探している。  あなたと再び会うための方法を──。
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