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其の三・豆腐石
大山の滝近くには、自然と四角くなった石がたくさん見られる。
大きさは一抱えほどというものが多く、黄色っぽいものからだいだい色のものまである。
売れば金になると思った連中がいくつも拾って帰ったが、たいがい病に倒れたり思わぬ事故に遇ったり家が不幸になって潰れる
または、その連中が他の女子どもに害をなし、結局は自身も滅びてしまう。
村でも特に欲の深い『ゴウツクバリ』で名を馳せた権蔵という男が、いくつも拾ってきて大八車で売りさばこうとしたが、あまりの重みで木橋が落ち、権蔵は車の下敷きになって溺れ死んだと言う。
大むかし、山には多くの修験者が入って修業をしたと言うが、彼らが山で遭難したり、修行の最中亡くなったりして、黄色い石に姿を変えたという話もある。
津久根島神社の付近にも豆腐石が多いところがあって、クロシュウのなれの果てではないか、とも言われている。
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