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長い間、悪夢を見ていたような気がする。身体は重いし、気持ちまで沈んでる。
「……朝?」
けれど目を開ければカーテンの隙間から陽の光はこぼれて、朝だと分かった。
あぁ、学校に行かなーー!?
がばっと体を起こして、今の自分の状況を確認する。着てるものはパジャマ、寝てるのは自分の部屋。どうやって? いつの間に!?
慌てて部屋から飛び出てキッチンへ。
「ママ!? ママ!」
「あ、世莉ちゃん! 怪我は大丈夫なの?」
いつも通り、キッチンでご飯を作ってる母親にホッとしながらも、世莉はさして広くもない部屋を見渡した。
「ーー神威は!? 神威、酷い怪我でっ」
「そうみたいなの、だから救急車呼んだらしいんだけど……」
「……」
その事実に呆然とする世莉に、真理は少し困ったように笑った。
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