3.期間限定の恋人

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そうやって、一生懸命話しながら説明してくれた篠原だ。 本当に恋人になる訳ではない、と知って逆に納得したすみれだった。 そうだよね。こんなに素敵な人が告白、なんてあるわけない。 そして、すみれは困っている人を放っておける性格でもない。 「…というか、篠原さん、むしろ、私で大丈夫なんですか?」 「葉山さんだから、お願いしたいんです!」 思ったよりも真剣なその表情に、一瞬すみれはどきん、としたけれど、篠原はとても優しいおばあさん思いの人なんだなと感じて、 「私で良ければ。」 そう答えたのだった。 そうしてすみれは、期間限定の恋人として篠原と、篠原のおばあさんのところへ行くことになった。 おばあさんが住んでいるのは、今すみれ達がいる街から車で2時間ほどのところらしい。 どうやって行くんだろう? と思っていたら、 『車でお迎えに行きますね。』と笑顔で言われてしまった。 二人でドライブ…。 もちろん電車でもどきどきしたのだろうけれど、車はさらに緊張する。 2人きり…なのよね?
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